Lesson4-3 ビジネス上でのマナー/来客対応

会社に来客があったら、たとえ受付係でなくても、挨拶をして担当者へ取り次ぎます。あなたの対応次第で、会社に対するお客様の印象が変化するので、常に心のこもった丁寧な対応を心がけたいものです。

この章では、受付から、お客様のご案内までの作法について学習します。

来客対応のマナー

事前の準備

気持ちよくお客様にいらしていただくために、来客前に下記のような点を事前にチェックしておきましょう。

・受付係に来客の予定を告げておき、スムーズにご案内できるようにする
・会議室や打ち合わせスペースを予約して押さえておく
・茶器や灰皿が片付けられているか
・テーブルはきれいに拭かれているか
・床にゴミが落ちていないか、じゅうたんや壁が汚れていないか
・テーブルクロスやソファ、椅子は汚れていないか
・冷暖房の設定温度は快適か
・換気されているか

受付の基本

お客様が来られて、初めて対面する訪問先の会社の人間が受付です。

受付の印象が、会社全体の印象に影響を与えるため、お客様への気遣いや明るく丁寧な対応などを心がけましょう。専任の受付係がいない場合には、来客に注意し、速やかに対応します。

①担当者へ取り次ぐ場合

・お客様の会社名・名前・約束の有無・誰宛の訪問かなどを伺い、「いつもお世話になっております」「お待ちしておりました」などの言葉をかけ、速やかに担当者へ取り次ぐようにします。

<約束がなく、取り次ぐべきか迷う場合>

用件などを確認し、名指しされた担当者の在・不在は伏せて「確認致しますので、少々お待ちください」と告げ、担当者へ面会するかどうかを確認しましょう。

担当者が不在の場合や面会をお断りする場合には、用件を伺い、伝言を確認します。

<取次の際に名刺を出されたら>

胸の位置で名刺をお預かりし、指名された担当者へ確認する旨をお客様にお伝えし、速やかに確認を行います。
名刺は担当者に渡すか、確認後にお客様にお返しするようにしましょう。

<一度に数名の来客があった場合>

先着順に対応し、顔見知りの来客を優先して案内したりしないよう注意します。
取り次いだあとも、お客様が長く待たされたままになっていないか注意しましょう。

②お客様を応接室等の面会スペースへご案内する場合

「〇〇へご案内します」と行先を告げ、お客様の2~3歩前を歩きながらご案内をします。ご案内しながら、天気の話や「エレベーターでご案内します」「右に曲がります」などの声掛けをするなどの心配りができると、無言で気詰まりにならず良いでしょう。

<廊下での案内>

お客様に通路の真ん中を歩いていただき、自分はお客様の斜め前を歩くようにしましょう。また、お客様の歩く速さに合わせる気配りも忘れてはいけません。

<エレベーターの乗降>

複数のお客様をご案内する場合には、「お先に失礼致します」と先に乗り、ドアボタンを押してお客様をエレベーター内にご案内します。降りるときには、お客様に先に降りていただきます。

お客様が一人の場合には、外側のボタンを押すか、扉を手で押さえてお客様を先にご案内しても良いでしょう。

操作パネルの前に人がいる場合には、お客様を先にご案内し、自分が後に乗って行先を告げます。降りるときもお客様に先に降りていただきます。

<応接室のドアの開閉>

「こちらでございます」と言い、必ず軽くノックをしてからドアを開けます。

ドアが外開きの場合はドアを引いて、内開きの場合は先に入ってドアを押さえ、「どうぞ」とお客様を室内にご案内します。

<席へのご案内>

必ず、お客様には上席をすすめましょう。

③お客様へお茶を出す場合

<お茶を運ぶ>

一人分でも必ずお盆に乗せて運びます。また、運ぶ途中でお茶がこぼれて茶托が濡れないように、湯のみと茶托は重ねずに別々にお盆にのせます。

応接室に入る場合には、3回ノックし、「失礼します」と声をかけてから入り、会釈をします。

<お茶を出す>

上席のお客様から出します。

サイドテーブルやテーブルの端にお盆を置き、茶托に湯のみをのせて一人ずつお茶を出していきます。お盆の置き場がない場合には、左手にお盆を持ち、右手で出します。

運ぶときは、茶托を右手でもち、左手を添えて、お客様の下座側から出すのが基本ですが、打ち合わせや商談の邪魔になってしまう場合にはこの限りではありません。

また、基本的にはお客様が飲みやすいように右手側にしますが、書類等が広がっていない、邪魔にならないスペースにおくようにします。

お客様の次に、社内の人にお茶を出します。
お客様と同じ湯飲みを使い、上位者から出すようにします。

<退室>

お盆は左手で表を外側にした状態で体の左側面につけて持ちます
ドアの近くで立ちどまり、軽く一礼し、右手でドアを開けて退室します。

<お茶を下げる>

お客様の湯飲みから先に下げます。
お盆を左手に持って、右手で湯飲みをお盆にのせます。

接待のマナー

接待は、得意先や関係先との関係をより良くするための、「仕事の延長線」の場です。
話題選びや食事のマナーにも配慮し、お酒が入っても節度ある行動が求められます。

お酒の席でのマナーについては、別の章で詳しく学習していきます。