前の章に引き続き、会話力を身に付けるためのポイントを学んでいきます。
この章では、特に、ビジネスシーンにおいて役立つポイントについてみていきましょう。
4、会議やディスカッションの席で使える心得

コミュニケーションは双方向のものと先ほどお伝えしましたが、会議やディスカッションの席においても同様です。
2、で述べたように自分の意見を進んで述べることも大切ですが、複数人で会話をすることが必要な場では、相手に対する「思いやり」も大切です。
自分が発言をしている途中で、「そうそう、それで…」と話に割り込まれたらどう思いますか?多くの方は「どうして最後まで聞いてくれないんだ!」と不快な思いをするのではないのでしょうか?
自分がされると不快な思いをする行動でも、相手に対して、ついつい気づかずにやってしまうということもあります。
①相手の話に最後まで耳を傾ける
②相手の発言をすぐに否定しない
ということが大切です。
どんな意見も平等に聞き入れ、その上で、「こうした方が良いのではないか」という自分の意見を述べるように意識しましょう.
また、相手との意見が食い違った場合には、すぐに否定をする前に「どうしてこの人はこういった意見を持っているのだろうか」と相手が反対意見を持った理由を考えてみましょう。
反対意見の中にも、「分かり合える部分」があるかもしれません。
会議やディスカッションの場というのは、各人の意見を踏まえながら、「よりよい答え」を導き出す場といえます。自分の意見と違うからと言って、頭ごなしに批判をするのは良いことではありません。
複数人で話をする場では、みんなが発言をしやすい雰囲気づくりも重要です。
とくに上司が「絶対にこうです」「みんな、そうです」といった断定の表現をすると部下が委縮してしまい意見を述べにくいという状況も想定されます。
③「絶対」「みんな」という断定の表現を使わない
ということを意識してみることで、普段よりもさらに多くの貴重な意見が出てくるかもしれません。
④「柔らかい表現」を使うようする
相手を傷つけたり、人間関係を壊したりしないよう、「遠まわしな表現」をすることも必要です。
「こんなに短い納期での作業は無理です。」
「(決定事項について)いついつまでにやってください」
という直接的な言い回しや、命令形の言い回しよりも
「この納期では難しいのですが、あと3日ほど期日を延ばしていただけないでしょうか?」
「(決定事項について)いついつまでにお願いしたいんだけど、大丈夫?」
といったように、遠まわしな表現を用いたり、命令系ではなく、疑問形を用いて表現をするほうが、相手も提案を受け入れやすくなる可能性があります。
⑤話を聞いているときには、相槌を
他の人が話しているときには、アイコンタクトを取りながら、適度に相槌やうなづきを入れましょう。そうすることで、相手は「しっかり自分の意見に耳を傾けてくれている」ということで、安心して意見を述べることができます。
5、知らないことでも、話題を広げるテクニック
あなたが友人に、「〇〇っていうドラマ見てる?」と聞かれたら、何と答えますか?
「ごめん、見てないんだ」と答えると、そこで会話は終わってしまいます。
ですが、友人はあなたにそのドラマのことについて話したいことがあってその質問をしているのです。
たとえ見ていなくても、相手の「話したい」という気持ちを汲み取って、「私は見てないのだけど、〇〇ちゃんは見ているの?」と知らないと答えた後に問いかけを加えることで、会話をつなげていくことができるでしょう。
知らないことを「知らない」だけで終わらせないように工夫することで、たとえ自分には疎遠な話題で「何を話してよいのか分からない」という場合にも、会話をつなげていくことができます。
そして何よりも、相手の「話したいという気持ち」を潰さない、思いやれるという姿勢が大切です。
6、相手を名前で呼ぶ習慣を身に付ける
名前を呼ぶと、「大切にしている」「大切にされている」
部下を褒める時、恋人やパートナーにお礼を言う時に、「
7、褒めることもコミュニケーションスキルです
叱られるよりも、褒められた方が「頑張ろう」とか「楽しい!」という気持ちになるはずです。
欠点を指摘するときも、「そんなやり方ではだめ!」と否定をするのではなく、「ここを直すと、もっと良くなるよ」といったように、なるべく否定だけの声掛けをしないように注意してみてください。
日本ではまだ「褒める文化」が定着していないといわれます。
相手を褒めるということに慣れていなかったり、恥ずかしかったりする方もいらっしゃると思いますが、一方で、多くのビジネスパーソンが「上司が褒めてくれない」「頑張っているのに認めてもらえない」といった不満を抱いているようです。
是非、「褒める」指導を取り入れてみてください。