Lesson2では、美しい話し方や、コミュニケーションの広げ方など自分の話し方を磨くことについて学習してきましたが、上手に話ができることと同様に大切なのが、「相手の話を聞く」ということです。ここでは、相手が心地よくなる、もっと話をしたくなる聞き方について学んでいきましょう。
話の聞き方の基本

①姿勢のポイント
座って聞く場合には、両手をテーブルの上に置くと、「興味をもって話を聞いてくれている」と相手に感じてもらうことができます。テーブルの上に置いた手は、軽く組み、手首を45度ぐらい曲げるとより美しく見せることができます。
また、上体をやや前傾させるとより、「話を聞いてくれている」という姿勢を相手に示すことができます。
②アイコンタクト
相手と視線を交わすことをアイコンタクトといいます。相手の話を聞くときには、このアイコンタクトがとても重要です。
しかし、終始相手の目を見つめていると、相手がプレッシャーに感じてしまう場合もあるので注意が必要です。相手の眉や口元が入るぐらい広い範囲をみるソフトアイコンタクトを取りながら、ポイントポイントで相手と視線を交わすアイコンタクトをするようにすると自然な感じがするので、おすすめです。
③あいづち
相手の話に反応するときには、あいづちを打ちます。あいづちは、こまめに小さくするよりも、大きく深く行うほうが効果的です。首だけでうなづくよりも、腰から折るようにすると美しく見えます。
また、「うん」とか「はい」だけでは、そっけない印象を相手に与えてしまうので、あいづちのバリエーションを増やして、「興味をもって話を聞いてくれている」という安心感を与えられるようにしましょう。
④立って話を聞くとき
背筋をまっすぐにしたまま、上体を7度ほど相手の方に傾けて話を聞くことで、より真剣に相手の話を聞いているという印象を与えることができます。
共感力を身に付ける
相手の話を聞くときの姿勢や、あいづち、アイコンタクトなどのテクニックも重要ですが、聞き上手になるうえでもっとも重要な考え方が「共感をもって相手の話を聞く」ということです。
どうしたら相手が心地よく感じてもらえるのか、どうされると相手は嫌な気持ちになるのかを察することができる「共感力」を身に付けましょう。
共感していることを相手に伝えるための会話のコツについて紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
①オウム返し
話し手の言葉をオウムのように繰り返す聞き方を、「オウム返し」と言います。
例えば、
A:今日は、急に仕事を振られて2時間も残業になっちゃって大変だったんだ
B:2時間も残業は大変だよね
A:休日は久しぶりに鎌倉に行ったんだ。天気にも恵まれたし、お寺巡りもとても楽しくて、リフレッシュできたよー!
B:天気のいい鎌倉は最高ですよね。お寺巡りもとても楽しそう!
のように、相手を同じ言葉を繰り返します。
ただし、あまりにもそのまま繰り返しすぎると山びこのようになってしまうので、注意が必要です。
②ミラーリング
オウム返しは、相手の発言を繰り返しまねる方法ですが、ミラーリングというのは、相手の仕草や動作を鏡(ミラー)のようにまねることです。
「人は自分に似ている人に好意を持つ」という傾向があるので、しぐさや動作をまねることで、「私はあなたに似てますよ」というプラスの印象を相手に与えることができます。
例えば、
相手が早口なら自分も早口で話し、低い声なら自分も低い声で話す。
相手がお茶を飲んだら、自分も飲む。
相手が足を組んだら、自分も足を組む。
座り方、足の組み方、手の位置、姿勢、うなずき、お茶を飲むタイミング、髪をかき上げるしぐさ…など真似できるポイントを見つけてみましょう。
しかし、あまりにも分かりやすくやると、相手が「まねしてるな」「わざとらしいな」と気づいて、逆に不愉快になってしまうことがあるので注意が必要です。
まったく同じ仕草や動作ではなく、
相手がお茶を飲んだら、自分はお茶菓子を食べたり顎の辺りを触ってみる。
相手が足を深く組んだら、自分は足をクロスさせてみる。
のように似ている仕草や動作をする「クロスオーバーミラーリング」というテクニックを織り交ぜて使ってみましょう。
上記のようなテクニックのほかにも、
・相手の話を遮らない
・相手の話を否定しない
・質問をして、会話を盛り上げる
など基本的な点にも注意しながら、聞き上手を目指しましょう!