敬語は、相手を敬う気持ちを表すものです。
正しい言葉遣いは、その人の品性を表しますし、社会人としても必須なスキルの一つです。
礼儀正しい話し方を身に付け、様々な人とのコミュニケーションを円滑にはかれるようになりましょう。

敬語の種類
敬語は以下の3種類に分けられます。
①尊敬語:目上の人を敬う表現で「相手を立てたいとき」に使う
②謙譲語:自分をへりくだる表現で「自分を下げることで相手を立てたいとき」に使う
③丁寧語:相手に敬意を表し、「です、ます」をつけて丁寧に言う
◆よく使う敬語の置き換え
| 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 | |
| 言う | おっしゃる | 申し上げる | 言います |
| 行く | いらっしゃる | 参る、伺う | 行きます |
| 来る | いらっしゃる おみえになる お越しになる |
参る | 来ます |
| 見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
| 聞く | お聞きになる | 拝聴する、うかがう | 聞きます |
| 書く | お書きになる | お書きする | 書きます |
| 話す | お話になる | お話する | 話します |
| 持つ | お持ちになる | お持ちする | 持ちます |
| 食べる | 召し上がる | いただく | 食べます |
| いる | いらっしゃる | おる | います |
| する | なさる | いたす | します |
| 会う | お会いになる | お目にかかる | 会います |
| 知っている | ご存知 | 存じ上げる | 知っています |
上記の置き換え表現以外に、「お出かけになる」、「お読みになる」など「お~になる」としたり、「来られる」、「帰られる」など「~られる」をつけることでも尊敬語にすることができます。
また、「お知らせする」、「ご連絡する」のように「お(ご)~する」としたり、「利用させていただく」など「~させていただく」をつけることで謙譲語になります。
尊敬語の「お~になる」と謙譲語の「お~する」は混同しやすいので注意が必要です。
また「お越しになられる」(※正しくは「お越しになる」)など尊敬語に「れる、られる」をつける二重敬語にも注意しましょう。
敬称の付け方
人名や官職名の下に付けて、その人への敬意を表すのが敬称です。
①社内では、○○課長、○○部長などのように役職名を名前の後につけます。
②社内の人を社外の人に紹介したり、電話口などで答えるときには、部長の○○、または敬称なしで○○とします。
③団体名などには「御中」をつけます。
④○○部長様などのように、敬称を二重に付けないように気をつけます。
クッション言葉
ビジネスシーンにおいて、敬語とならんで良く使われるものに「クッション言葉」があります。
通常の言葉に一言付け加えるだけで、丁寧感が増し、きつい印象を和らげてくれる効果があります。
クッション言葉は下記のような場合に有効です。特に気を遣う謝罪の言葉の場合には、上にも下にもクッション言葉をつけると、やわらかく丁寧な印象を与えます。
①質問するとき
・失礼ですが~ ・差し支えなければ~ ・伺いたいことがあるのですが~、
・お尋ねしてもよろしいでしょうか~
②断るとき、謝るとき
・せっかくですが~ ・大変申し訳ございませんが~ ・大変残念ですが~
・大変恐縮ですが~ ・身に余るお言葉ですが~ ・申し訳ございませんが~
・お気持ちはありがたいのですが~
③お願いするとき
・恐れ入りますが~ ・お手数ですが~ ・申し訳ございませんが~
・よろしければ~ ・ご面倒をおかけしますが~ ・ご迷惑をおかけしますが~
・差し支えなければ~ ・大変恐縮でございますが~