Lesson6-3 冠婚葬祭にまつわるマナー/「婚」

結婚式は、結婚をするための儀式であるとともに、親類や友人などと喜びを分かち合う行事でもあります。出席者の方々を尊重し、全員が気持ちよく過ごせる式にしたいものです。

最近では、挙式のスタイルも多様化していますが、一般には以下のようなものがあります。

神前結婚式
神社などの神前にて祝詞奏上(のりとそうじょう)、三三九度(さんさんくど)、玉串奉奠(たまぐしほうてん)、親族盃(しんぞくはい)の儀などが行われます。

キリスト教式結婚式
讃美歌斉唱、聖書の朗読後、結婚の誓約が行われます。カトリック式とプロテスタント式など、宗派や教会によってしきたりが異なります。結婚式場やホテルにあるチャペルで行われるケースも増えています。

仏前結婚式
一般には両家と同じ宗派の寺院や新郎の菩提寺で行われます。式次第に従って、仏前に供えた数珠が新郎新婦に授与され、結婚を誓います。

人前結婚式
参列者を証人として、二人で用意した結婚を誓う文章を読み上げたり、皆の前で婚姻届に記入するなど、自分たちならではの個性的な式を挙げることができます。

海外ウエディング
新婚旅行を兼ねて二人で海外に行って式を挙げる場合と、親族や友人なども招待して行う場合があります。
いずれにしても、先に入籍していないと式を挙げることができない国が多く、婚姻届を出したことを証明する書類が必要なケースもあります。

招待側のしきたり・マナー

結婚式に招待する

招待客は両家ほぼ同数か、6対4程度の割合にするのが基本です。

招待状は披露宴の3ヶ月前か、遅くとも1ヶ月前には届くように送ります。
このとき、スピーチや余興を依頼する場合には、このタイミングで依頼をします。媒酌人や主賓には直接出向いて依頼するのがマナーですが、遠方の場合には、自筆で一筆添えて、郵送でもかまいません。
また、遠方の人の交通費や宿泊費は、挙式から列席してもらう媒酌人なら全額を、主賓や司会をお願いする人、ぜひ出席してもらいたい人などは、全額または一部を負担するのが一般的です。

席次を決める際には、招待客への細やかな配慮が必要なため、両親に相談しながら決めるのがベターです。
基本的に、新郎新婦に近いほど上席です。主賓は来賓テーブルの最上席に、両親は末席のテーブルになります。
同じテーブルに顔見知り同士を配置する、初対面同士の場合は、同じような立場や同年代の人が並ぶようにするなど、席次を決める際には、招待客の顔ぶれを考慮しましょう。高齢者や幼い子供連れの招待客は、トイレなどに立ちやすい出入り口に近い席にするなどの気配りも忘れずに。

引き出物・謝礼

引き出物は披露宴の招待客に送る品物で、引き菓子+品物の組み合わせが一般的です。

引き菓子や品物を用意する場合には、金銀か紅白の水引を結び切りしたのし紙をかけます。表書きは「寿」とし、名前は両家の姓か新郎新婦の名前を連名にします。

金額の目安は、引き菓子が1000~2000円、品物が3000~5000円、プチギフトが300~1000円程度です。

地方の風習により贈るものは異なりますが、親族には、地域の風習に従った品物、友人には若い世代に喜ばれる品物など、贈る相手によって品物を変えても良いでしょう。
中身が変わっても、紙袋は極力同じものを用意し、人により見た目に差が出ないよう配慮しましょう。

謝礼は媒酌人や結婚式・披露宴でお世話になったスタッフへ渡すものです。

媒酌人へは、表書きを「御礼」とし、両家の連名で渡します。挙式当日のみの仲人の場合には5~10万円、結納から披露宴までの媒酌人へは10~20万円程度が目安です。できれば別室を用意し、披露宴終了後に両家の両親と新郎新婦がそろって手渡せるとベストです。
お車代として、実費相当のきりの良い金額を別途渡すことも忘れないようにしましょう。

美容師・着付係、介添人などの式場スタッフへは、「御祝儀」「こころづけ」などと印刷されたポチ袋に入れ、新婦の姓を書いて、3000~5000円程度の謝礼を渡します。
タイミングとしては開始前に両親または親族から、式場担当者にまとめて渡します。

司会係や受付、撮影などを友人に依頼した場合には、「ご祝儀」「御礼」などと印刷されたポチ袋に両家の姓を連名で書いて謝礼を渡します。金額は司会係へ2万円、受付係へ3000~5000円、撮影係へ5000円~1万円+経費が目安です。
披露宴後に、御礼の言葉とともに新郎新婦や両親から手渡しで渡します。