招待客のマナー
前のレッスンでは、招待する側のしきたりやマナーについて学びました。続いて本レッスンでは、招待される側のしきたりやマナーについて学習しましょう。
招待状を受け取ったら
招待状を受け取ったら、できるだけ3日以内に、遅くとも1週間以内には出欠の返事を出しましょう。同封されている返信用のハガキを使うようにし、電話などでの口頭の返事は避けましょう。
欠席の返事を出す場合は、相手の気持ちを考えて、1週間程度時間をおいてから、欠席の理由を添えて返事を送るようにしましょう。
当日の予定が分からない場合は、まず先方に相談し、返事をいつまで待ってもらえるのか確認します。返信の期日を過ぎても予定が決まらない場合には欠席にした方が無難です。
招待されたけれどやむを得ない理由で欠席の返事をした場合は、お祝いの品や祝電を贈って祝福の気持ちを伝えると良いでしょう。
お祝いの品は、結婚式の1~2週間ほど前に招待状の差出人へ、祝電は前日に会場へ届くよう手配します。
返信ハガキの書き方
返信ハガキの書き方には決まりがあります。
下記のポイントを押さえて記入・返信するようにしましょう。
・ハガキの表の宛名の下にある「行」の文字を2重線で消して、「様」とする
・ハガキの裏の「ご出席」「ご欠席」「ご住所」「ご芳名」の「ご」や「ご芳」の文字は全て消す
・消す文字が1文字の場合は斜め線、2文字以上は平行線を使う
・出席の場合は、「おめでとうございます」「喜んで出席させていただきます」などの一言を
・欠席の場合の理由は「よんどころない用事がありまして」等、あいまいにしておくのが〇
・句読点は「終わり」を連想するため使用しない

受付でのマナー
披露宴が始まる30分前までには会場に到着し、開宴15分前までに受付を済ませましょう。受付に行く前にコートや手荷物をクロークに預け、化粧室で身だしなみを整えておくのがマナーです。
受付係に「本日はおめでとうございます」とあいさつをし、新郎新婦のどちらに招待されたのかを告げ、芳名帳に必ず自分で記帳します。夫婦で出席する場合は夫が姓名を、その横に妻が名前を書きます。
披露宴会場にご祝儀を持参するときは、必ず「ふくさ」と呼ばれる小型のふろしきに包みます。受付の前でふくさをほどき、名前を正面に向けて受付の人に手渡します。
ふくさは慶事の場合には、下記のように左から包み始めます。



お祝いの品は、当日会場に持参するのではなく、挙式の1~2週間ほど前までに自宅に郵送しておくのが正しいマナーです。
ご祝儀の金額は、友人が3万円、きょうだいが5~10万円、いとこが3~5万円、職場の同僚・上司が2~3万円程度が目安です。
以前は、ご祝儀は割り切れない奇数にすることが常識とされていましたが、最近ではペアを表す「2」や末広がりの「8」は贈っても良いといわれています。反対に、「死」をイメージさせる「4」や「苦」をイメージさせる「9」は偶数奇数に関係なく避けるようにします。
会場でのマナー
控室では、新郎新婦の両親に「おめでとうございます。本日はお招きいただきましてありがとうございました」とあいさつし、初対面の場合は簡単に自己紹介をします。
会場に入ったら、「右上位の法則」に則って、原則としてはいすの左側から座り、着席します。
バッグは椅子の背と体の間か、膝の上に置きましょう。
スピーチ中は飲食を避け、スピーチに耳を傾けます。
披露宴の最中に中座をする場合には、スピーチ中をさけ、食事の合間や歓談中、お色直しの時などに静かに席を立ち、周囲の人に軽く会釈をしながら会場を出ます。ナプキンは椅子の上に置き、食事中であればナイフとフォークをハの字にして置いておきます。
結婚式・披露宴での装い
結婚式や披露宴に出席するときの服装は、会場の格に合わせ、華やかで高級感のある色や柄、素材を選びます。
服装を選ぶ際には、下記のポイントに留意しましょう。
・全身黒の衣装は弔事を連想させるので避けます。光る素材やレースやフリルがついている華やかなデザインならOKです。
・全身白の衣装は花嫁だけに許されるものなので、避けましょう。
・教会での挙式に肌の露出はNGです。ストールやボレロなど、上から羽織れるものを用意します。
・和装は、未婚者の場合は振袖、既婚者の場合は色留袖や訪問着、紋付の色無地です。黒留袖は新婦の親族が着用するものなので、NGです。
・「平服でお越しください」という注意書きがあった場合には、フォーマルな印象のあるワンピースやパンツスーツなどを選び、アクセサリーやバッグ、靴などを日常よりも少し華やかにコーディネートします。「正装でなくてもよい」という意味なので、普段着で行くのはマナー違反です。