Lesson6-2 冠婚葬祭にまつわるマナー/「冠」②

引き続き、様々なお祝いの場面でのしきたりやマナーについて学習していきます。

入園・入学のお祝い

入園や入学のお祝いは家族で祝うのが一般的で、お祝いを贈るのは祖父母や親戚など、ごく親しい間柄に限られます。

お祝いの品物は、学用品や本、時計などが一般的です。また現金やギフト券なども使い勝手がよく喜ばれるようです。送るタイミングは入園・入学の1か月前から当日までで、いずれも紅白蝶結びの水引で、のしつきにします。

表書きは「御入学祝」や「祝御入学」、「祝合格」などとします。
金額は、幼稚園・保育園:3000円~1万円、小学校・中学校:5000円~1万円、高校以上:1万~2万円が相場です。

基本的には身内のお祝いなので、お返しの必要は不要とされていますが、できれば本人から直接お礼を言わせるようにしましょう。
状況によりお返しをした方が良い場合には、頂いた金額の3分の1から半額程度の品を「内祝」と表書きし送るようにします。

その他のお祝い

新築祝い
新築祝いの品は、新築披露に招かれた日に持参します。贈り物には、ライターや灰皿、キャンドルやランプなどの火を連想させるもの、スリッパやマット(ラグ)などの「踏む」贈り物は避けましょう。出費がかさむときなので、現金や商品券なども喜ばれます。
金額の目安は、親戚・兄弟が1万~5万円、友人・知人が5000円~2万円程度です。

お返しは基本的には必要なく、新築披露に招き、家を見てもらって飲食してもてなすのがお返しとなります。

また、新居への引っ越しの際には気持ちをあらわすちょっとした品を持参し、挨拶に伺います。
戸建ての場合には、向かいの3軒の家と両隣、自宅の裏手の家に挨拶に行くのが基本です。集合住宅の場合には、自室の真上と真下の部屋、自室の両隣、大家、管理人へのあいさつが基本ですが、防犯上の不安などのあるため、挨拶が必要かどうか管理人などに相談してからでもよいでしょう。

開店、開業祝い
開店、開業の披露パーティに招かれたら、まずはお祝いの品を送ります。新築祝いと同様に「」を連想させるものは基本的に避けるようにします。

パーティの時期は開店・開業の前日が一般的ですが、オープンから1週間内に行うようにすると良いでしょう。これまでお世話になった人や地元の商店街の関係者などを招待し、店内や事務所に軽食や飲み物を用意します。記念品等を渡す場合もあります。

成人、就職祝い
お祝いは、成人式に着ていくスーツや振袖などを両親が送ることが一般的です。お祝いを贈る場合には、きょうだいが1万~2万円、親族が1万~2万円が目安です。表書きは「御成人祝」とします。

お祝いを頂いた場合には、電話や手紙で必ず本人からお礼の気持ちを伝えましょう。

結婚記念日
結婚記念日は、夫婦で食事をしたり、旅行したり、プレゼントを交換するものですが、銀婚式(25年目)や金婚式(50年目)には、子どもや孫が中心となって、お祝いをするのが一般的です。

基本的にお返しは不要ですが、会場などを借りて盛大なパーティを開いてもらった場合は、内祝いを返すこともあります。

昇進、栄転、退職祝い
上司や親しい同僚などの昇進・栄転・退職祝いとして、会食やお祝いの品を贈ります。
同僚や上司の昇進祝いなどは、昇進しなかった同期の人の気持ちなどに配慮し、慎重に行いましょう。贈り物は、本人の年齢や役職などを考え、お酒などの嗜好品、趣味の品などが良いでしょう。

定年退職の場合は、「お別れ」というよりは「励まし」の意味を込めた明るい宴席を設けましょう。中途退職の場合には、新しい門出を祝う気持ち大切にし、今後につながる前向きな言葉で送り出すようにします。