お酒には、食欲増進やリラックスして楽しい気分にさせてくれる効果があり、食事の席でお酒が出されることもしばしばです。
ここではお酒についての基礎知識とお酒の席でのマナーについて学習していきましょう。
お酒は飲むタイミングにより食前酒・食中酒・食後酒に分けられます。
シーンや料理にあったお酒を注文できるようになりましょう。

食前酒
フランス語では「アペリティフ」、英語では「アペタイザー」と言われます。
正式な席や格式高い店では、食事の前に食前酒を楽しむためのウェイティングバーなどが設けられている場合もあります。
食前酒はあくまで食事を美味しくいただく目的で飲むものなので、何杯も飲むのは不作法です。
2杯程度でとどめておくようにしましょう。
食前酒と食中酒を区別せずに、軽めの赤・白・ロゼワインなどをオーダーし、そのまま食事を進める場合もあります。
食後酒
フランス語では「ディジェスティフ」、英語では「アフター・ディナー・ドリンク」と言われます。甘めのリキュール類やクリームを使ったカクテルなどが代表的で、少しアルコール度数が高く、甘口なお酒を楽しみます。
アルコール度数を高めた甘口のワインであるポートワインやブランデー等も食後酒としてよく飲まれます。
ブランデーは、代表的なものにコニャックとアルマニャックがあり、コニャックは少しクセがあり男性的で、アルマニャックは女性的な香りや味わいがあります。
また、等級が存在し、VO、VSO、VSOP、XOの順で高くなります。
グラスの持ち方
ワインやシャンパンは飲み物がぬるくならないようにグラスの脚の部分を持ちます。
脚が長いフルート型のシャンパングラスは、5本指を軽く伸ばすようにして持ちます。
丈の短いソーサー型のシャンパングラスは、親指・人差し指・中指で支えるように持ちましょう。

ブランデーグラスは、バルーンの部分を手のひらで包み込んで温めることで芳醇な香りが楽しめます。
ウイスキーグラスは5本指でしっかり持ちます。重いので、粗相のないよう気を付けましょう。
ワインの楽しみ方
食事のメニューを決めた後、ワインリストの中から選びます。ソムリエや店員に予算や味の好み、飲む量などを伝えておすすめを選んでもらうのも良いですが、予算の目安は料理の3割程度です。
ワインが運ばれてきたら、テイスティング(試飲)をして味や香り、味を確認します。
テイスティングは、目・鼻・口の順番でワインの状態を確かめます。
ワインにあまり詳しくない場合には、知ったかぶりをするよりもソムリエのおすすめを信頼していただくのがスマートです。
テイスティング後、ソムリエがゲスト、女性、男性、ホストの順にワインを注いでいきます。その間、グラスに触れたり持ち上げたりしないようにします。
フォーマルな席での乾杯は、グラスと持ち上げ、乾杯の音頭を取った人に目礼、両隣の人に会釈をしてからいただくのが正式です。グラス同士を当てるのはマナー違反なので注意しましょう。
おかわりも高級レストラン等では、必ずソムリエかサービス係を呼んで注いでもらいます。おかわりを断るときは、グラスの上に軽く手をかざすか、人差し指と中指をグラスの縁に近付けて意思表示をします。
欧米では、ワインは男性が扱うもので、女性がボトルを持つのは不作法になるので、注意しましょう。
違うタイプのワインを2本以上飲む場合には、白から赤、若いものから成熟したもの、辛口から甘口というように、軽いものから重いものへと変えるのが一般的です。
宴席・接待の席でのマナー
基本的に、宴席では手酌で飲むのは不作法とされます。
空になっても気づいてもらえない場合は、周囲の人にすすめてお返しにお酌ををしてもらいましょう。
またお酒が飲めなくでも、最初の乾杯やお酌を受けたときはひと口いただくようにしましょう。
接待で得意先や関係先の方と食事をする場合には、先方の都合に合わせた日程や店選び、待ち合わせの場所に先に着いておくなど、仕事の延長線上として節度をもって臨みましょう。
話題や食事のマナーにも配慮が必要です。お酒が入っても常に品位ある行動が求めれられます。