Lesson4-1 ビジネス上でのマナー/電話応対

会社には多くのお客様が訪れます。また、自分が会社の人間として取引先を訪れることもあるでしょう。そんなとき、あなたのちょっとした言動が、会社の印象を左右し、利益や損失に大きくかかわることもあります。

また、役職が上がるにつれて、人としての品格や見識が問われるようになるものです。マナーに無知なために恥をかいたり、部下や取引先からの信頼を失ったりすることがないよう、社会人として必要なマナーを身に付けておきたいものです。

ここではビジネスマナーの基本となる、正しい電話の対応や、受付、来客時の対応などのマナーを学び、会社の代表として恥ずかしくない振る舞いを身に付けておきましょう。

電話応対のマナー

1本の電話の応対が、会社全体の印象やイメージを決定づけるといっても過言ではありません。「会社の顔」として、自覚をもった恥ずかしくない応対を心がけましょう。

①明るい声でハキハキと

電話では、お互いの表情やしぐさを見ることができないため、相手のあなたへの印象は電話から聞こえる声だけで決まってしまいます。ですから、声のトーンを明るく、はっきりした発音・発声を意識して話すことが大切です。
敬語の間違いに注意し、丁寧な言葉遣いにも気を配りましょう。

②3コール以内に出る

4コール以上鳴ってしまい、相手をお待たせしてしまった場合には「お待たせしました」の一言を付け加えましょう。

③話を簡潔に

相手との電話には通話料がかかっていますし、時間も有限です。

相手が応答はしたけれど、ゆっくり話していられないという状況もままあります。相手が貴重な時間を割いてくれていることを忘れないようにし、「今、よろしいでしょうか」と一言断ってから話を始めましょう。

また、事前に用件をメモにまとめ、相手に始めに目的を簡潔に伝えるのも良いでしょう。

④用件はメモを取り、復唱・確認をする

相手の話した内容は必ずメモを取るようにしましょう。
また、注意が散漫になり大事な用件を聞き逃す、聞き間違えることのないよう、パソコンの画面を見ながらや書類をみながら話をするなどの「ながら電話」は避けましょう。

最後に要件を復唱し、内容を確認すると互いに誤解を防ぐことができます。

⑤相手の声が聞き取りにくい場合

「恐れ入りますが、お電話が遠いようです。もう一度おっしゃっていただけますか」と丁寧に聞き返しましょう。
「よく聞こえないので、もっと大きい声で話してください」「え、何ですか?」など無礼な聞き返し方をしないよう、注意が必要です。

⑥長時間保留にしない

資料を探したり、内容を確認したり、担当者に取り次ぐ場合などは、「少々お待ちください」と断り、必ず電話機の「保留」ボタンを利用しましょう。

再度電話に出るときには、「お待たせいたしました」の一言を忘れずに告げます。
時間がかかりそうな場合には、「申し訳ございませんが〇分後にこちらからかけ直しますがよろしいでしょうか」と伝えて、かけ直すようにしましょう。

⑦電話をかけた側が先に切る

しかし、相手が目上の人や大切なお客様の場合には、相手が電話を切るのを待ってからゆっくり切った方が相手をたてることにつながります。

また、途中で電話が切れたときは、たとえ相手の不手際で切れてしまった時でも、電話をかけた方からかけ直すのが基本です。

電話を受けるとき

①挨拶は心を込めて

社外からの電話の場合には、相手が名乗ったら「いつもお世話になっております」の一言を告げましょう。もし相手が名乗らない場合には、「失礼ですが、どちら様でしょうか」丁寧に聞くようにします。
また社内の人からの場合は「お疲れ様です」の一言を忘れないようにしましょう。

②電話の取次は速やかに

名指し人への取次の場合は、「ただいま、〇〇に代わります。少々お待ちください」と告げ、速やかに取り次ぎます。
もし、自分で処理できないような用件だった場合には、「恐れ入りますが、上司(あるいは担当者)に代わります」と告げて取り次ぎます。取次の際は事前に聞いた相手の社名や氏名、あるいは用件や経過を手短に伝えましょう

③名指し人が不在の場合は相手の要望を確認する

「申し訳ございませんが、〇〇はだたいま席を外しております。戻りましたらこちらからお電話いいたしますが…」「よろしければ、わたくしが用件をお伺いしますが…」と聞いてみます。

かけ直すといわれた場合には、戻る時間を告げます。
本人から折り返しが欲しいといわれた場合や伝言を頼まれた場合には、相手の会社名・名前・電話番号・伝言内容を忘れずにメモを取り、復唱して確認するようにしましょう。

電話をかけるとき

①電話をかける時間帯に配慮する

始業前や終業後、昼休みの時間帯の電話は極力控えましょう。

②社名、名前をきちんと名乗る

電話を取り次がれた後にも改めて、「〇〇商事の××です。いつもお世話になっております」とあいさつを忘れないようにしましょう。

③相手が不在の場合

帰社時間や次の出社日時を確認し、折り返すようにしましょう。
念のため、自分の社名、名前、電話番号を伝えておくとよいでしょう。

もし折り返し電話するといわれた場合には、自分が会社にいる時間も合わせて伝えておくと丁寧です。