Lesson6-6 冠婚葬祭にまつわるマナー/「葬」②

通夜・葬儀での服装

会葬者は、黒のフォーマルやブラックスーツが一般的です。
最近では喪服のレンタルなどもありますので、適宜利用するのも良いでしょう。

下記のような点に留意し、失礼のないようにしましょう。

<女性の場合>

・女性はブラックフォーマルのアンサンブルスーツまたは、地味で飾り気のない黒のスーツを着用します。

アクセサリーは原則的に結婚指輪以外は外します。パールは許されていますが、控え目なものを選択します。

ストッキングは黒で、コートやバッグも黒や地味な色のものにしましょう。インナーなどもできる限りダークな色のものにします。

・和装は、ひとつ紋の地味な色無地に黒帯なら、喪主よりも格が下がります。

ネイルは落とすのが基本。ジェルネイルなどすぐに落とせないものは黒レースの手袋を着用する配慮をしましょう

・明るいすぎる髪色は弔辞の席では目立ちます。スプレーなどでよいので一時的に暗くすると良いでしょう。

<男性の場合>

・男性は黒のモーニングコートかブラックスーツを着用します。急いで駆け付けた弔問では、ダークなビジネススーツで構いませんが、ネクタイは黒か地味な色のものに替え、ワイシャツは白の無地を着用します。

・ネクタイピンやカフスボタンは控えましょう

香典・供物を用意する

故人の霊に手向ける「香典」は、通夜か葬儀に持参します。

喪家の宗教により表書きが変わるので注意が必要です。「御霊前」であれば、どの宗教にも使える
ので、間違いがありません。
ちなみに仏式は「御香典」、浄土真宗では「御仏前」となります。
神式は「玉串料」、キリスト教式は「御ミサ料」「御花料」と表書きをします。

香典の金額の目安は、渡す相手が祖父母の場合:1万円、両親の場合:5~10万円、きょうだいの場合:5万円、おじ・おばの場合:1万円、その他の親族:1万円、仕事関係の場合:5000円、友人・知人の場合:5000円、隣人・近所の場合:5000円程度となります。

霊前に供える供花や供物は、香典とは別に近親者や故人と親しく付き合っていた人、会社や団体などが贈るものです。
キリスト教式の場合は、供物を贈る習慣がなかったり、仏式・神式とも肉類や魚介類などの生ものや殺生を連想させるものは贈らないなど、宗教によってしきたりがありますので、贈る際には注意が必要です。

供花、供物の金額は、供花が1万~5万円、供物の場合は、果物・菓子が5000~1万円、線香やろうそくは3000~5000円程度が目安です。

法要を行う

仏式では、亡くなった日から7日おきに法要を、神式では10日おきに霊祭を行います。

仏式で特に重要視されているのが、初七日と四十九日の法要です。初七日は遠方からの出席者に配慮して葬儀当日に行うことも多いですが、四十九日は近親者や僧侶を呼び、法要を行うのが一般的です。一周忌や三回忌も同様で、いずれも法要後に会食の席を設けます。
三回忌の後は、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌と続きますが、三十三回忌までで終わりにするのが一般的です。

神式の場合は「霊前祭」という儀式が法要にあたります。
葬儀の翌日の「翌日祭」に続き、亡くなった日から50日目までは10日ごとに「十日祭」が行われます。「五十日祭」が仏式の忌明けにあたり、その後は百日祭、一年祭、三年祭、五年祭などと続き、十年祭から五十年祭までは10年ごとに行います。

香典返しのマナー

仏式なら四十九日、神式なら五十日の忌明けのタイミングで香典返しを贈ります。
香典返しの目安は、いただいた香典の半額から3分の1程度です。

仏式の場合の表書きは「志」「忌明志」、神式の場合は「志」「しのび草」「偲草」、キリスト教式の場合には、神式と同様または「昇天記念」などとするのが一般的です。

法要のマナー

本来であれば、法要は年命日に行うものですが、近親者が出席しやすいように休日に開催するのが一般的になっています。日程をずらす場合にも、必ず年命日より前に設定するようにします。
日程を決めたら少なくとも1ヶ月前には近親者などへ連絡します。